いっしょに考えましょ

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何を引き継げば良いか その10 創った歴史をバトンに託して

最後に、役に立たないというほどではありませんが、結局あまり活用されないのが過去の膨大な資料です。よくあるのは記録メディアで渡されて「何かあれば見てください」と言われるケースですが、結局は見る機会がないことが多いのではないでしょうか。施設の病床数など誰でもインターネットで調べればわかるような情報も後回しで良いと思います。

 

引き継ぎ資料を懸命に作る。自分が積み重ねてきたものを後任に伝えたいという想いは必ず伝わり、長く語り継がれます。自分が創ってきた歴史を未来へつなげて欲しい。その熱い気持ちをバトンに込めて後任に渡しましょう。

(このテーマ終わり)

何を引き継げば良いか その9 項目⑥:施設ルール

訪問ルールは基本情報として、とくに病院では薬審への申請方法や薬剤の採用ルールをしっかりと引き継ぎましょう。アポイント取得方法、面会方法、説明会取得/実施方法などは、病院だけでなく診療所でもルール化しているところが増えました。それらの情報がきちんと引き継がれているかどうかで顧客からの信頼度が上下します。

「どうして前任から聞いてないの?」と怒られ信用を失わないようにしましょう。

何を引き継げば良いか その8 項目⑤:人間関係

学会、医師会、医局、院内の人間関係など。仲の良い/悪いドクターはいるか。家族構成や交友関係はどうか。親しいMS/MRは誰か。個人情報保護のためシステムに残しづらいこの項目については、口頭での引継ぎが欠かせないと思います。

意外と役立つのが歴代担当者の記録です。システムで調べられなければエクセルに残しましょう。もし自分が辞めるときに前任者(後任にとっては前々任者)が誰なのかを残してあげないと、これまでの自社との関係がわからなくなってしまいます。

何を引き継げば良いか その7 項目④:人となり

顧客はどのような性格で、どのような趣味や興味を持っているか。どのようなことを好み、嫌うか。特筆すべき癖はあるか。踏んではいけない地雷ポイントはあるか。

この項目は人によって認識が異なるため正解はありません。できるだけ客観的に記載するよう心掛けるべきですが、自分の主観で書き起こして申し送りし、受け手は参考程度にすれば良いでしょう。NGワードなど気を付けるべき話題の有無は、ぜひ申し送りしたい項目のひとつです。後任者の新しい人間関係がスムーズに進むような情報を残してあげましょう。

何を引き継げば良いか その6 項目③:ニーズと戦略

顧客がどのような情報を重宝し、今後どのような情報を提供していくと良いか。MRが扱える範囲の情報で十分か、メディカルや他部署のサポートが要るかどうか。これまで実施した打ち手でヒットしたアクションは何か。もしいま壁にぶつかっているならば、どのような状態で行き詰まっているのか。打開策にはどのようなものが考えられるかなど、戦略立案に必要な情報を残します。

顧客が期待する面会頻度は月に何回か。上長同行は処方増やコミュニケーションアップに貢献するかなどの情報は、訪問計画を組み立てる際に役立ちます。

何を引き継げば良いか その5 項目②:処方について

相手は自社製品にどのような印象を持って処方しているか。今後処方は増えそうか/減りそうか、それはなぜか。もしいま自社製品を使っていないならば、その理由は何か。これらは今後のMR活動の土台となる情報であり、これまでの活動を分析して披露する項目でもあります。

自社製品に加え、競合製品に対する印象の情報も加えると、より戦略を検討しやすくなります。これまでの活動を引き継いで後任者に成果を上げてもらえるよう、自分が異動先でどのような情報があれば助かるかを想像し、必要な情報を残してあげるようにしましょう。

何を引き継げば良いか その4 項目①:面会について

いつ、どうすれば会えるか。何処に名刺を出せば良いのか。出す際に気を付けることはあるか。アポイントが必要か。その方法はメールか電話か受付か秘書氏か。GPならば面会しやすい曜日と時間、HPならばそれに加えて院内外の場所も示してあると良いでしょう。

引き継ぎ時にすべての顧客と面会できれば良いのですが、それができないケースのほうが多いと思います。その場合は前任者の紹介状を後任者が挨拶時に持参するなど工夫したほうが良いでしょう。

もし前任者があまり訪問していなかったならば、挨拶の時に詫びを入れて、「私はきちんと訪問します」と「自分を宣伝」できます。生い立ちや職歴など自己紹介スライドを作ってプレゼンテーションし、顧客の印象に残る出会いを演出するチャンスです。